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コモノの雑記帖

日々の雑記帖です。暮らすという事、考える事。

【読書】なんとなく古典を読みたくなる冬。

最近、青空文庫で夏目漱石の夢十夜を読みました。

 
「100年はもう来ていたのだな」
 
一夜の最期につぶやくように書かれた文章に、色々思う事がありました。
 
歳だから、と独り言ちるほど若さに未練もないのですが、前だけを向いていた頃とは違う何かが心にあるのも間違いない歳にはなりました。
 
人は死ぬ、という切迫した死生観ではなく、あとどのくらいだ。いつなのだ。と何かに問いかけるような心持ちになる事に中々整理がつかず、昔読んだ夢十夜を思い出して文をさらさらなぞってみれば、意外にもすとんと落ち着く気持ちになれました。
 
あの頃は何かを理解し、それを取り込み自分に吸収するような意気込みで読んでいた漱石ですが、そんな重くもなく読める歳になった事は、素直に喜ばしいと思いました。
 
我が身に向けて100年とは言いませんが、過ぎた時間の流れにふと触れるような事が、今後もあるのだろうと夢十夜を読んでいて感じ入る冬の夜です。
 
読み散らかして理解したような気分になっていた古典は恥ずかしくて言えないほどたくさんありますか、少しづつですがその時々にあった古典を手に取るのは良い事ではないかなと深夜1人、ふつふつと考えています。